突然ですが、「白と黒のもの」といえばなんでしょうか。
パンダ、パトカー、チェッカーフラッグ、オセロ、チェスの駒…
探せばいくらでもありますね。
ですがもっともっと身近な白黒、あまりにも日常にありふれているがために気にも留めない人も多い白黒といえばそう、QRコードです。
今回はみなさんの近くにいつもひっそりと存在しているQRコードの話です。
「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です
QRコードとは?
「QRコードっていつの間にかそこらじゅうで見かけるようになったなあ」
そう感じる人は多いはずです。知らないうちに巷にあふれていた存在、QRコード。
まず大多数の方が知らないのはこれでしょうか。
① QRコードは日本の発明品
1994年(平成6年)に自動車部品メーカーであるデンソー(愛知県)の開発部門(現デンソーウェーブ)が発明したマトリックス型二次元コードである。(Wikipediaより引用)
日本のものづくり現場で欠かせないのが部品管理。
大量の部品を管理するために、当時の現場ではバーコード読み取りで管理していました。
ところがひとつのバーコードに盛り込める情報量に限界があり、1工程の部品管理に10個ほど並べて読み込まなければならないなど、作業員からは「もっと情報量の大きなデータを、もっと早く読み込むことはできないか」との声が上がっていたそうです。
そこで試行錯誤の末、産まれたのがQRコードなのです。
QRコードはバーコードと同じ「機械可読データ」に分類されます。
バーコードの親戚というわけです。
② QRコードの特徴
従来のバーコードは横方向にしか情報を持たないのに対し、QRコードは縦・横両方向に情報を搭載できるので、物理的な情報格納領域が広いという特徴があります。
「QR」は Quick Response の頭文字で、その名の通り読み取り反応速度もバーコードより高速化されています。
ここまで読んで、「そんなにすごい発明を世界中で自由に使っていいの?特許権はどうなってるの?」と思ったあなた。
QRコードのオドロキポイントはまさにそこなのです。
③ オープンライセンスである
QRコードの開発チームは「QRコードが普及するように」と敢えて特許権をオープンにし、QRコードの作成・使用に対し特許権を行使しないと定めています。
私たちがスマホアプリやWebサイト上でQRコードを作成してそれを自由に使用できるのは、特許権がオープンにされているからこそです。
ただし、「QRコード」という名称はデンソーウェーブの登録商標です。 |
その功績により、2014年には、欧州特許庁が付与する欧州発明家賞を日本で初めて受賞しています。
1cm角の小さな白黒に凝縮された技術は今や世界共通規格となり、世界中どのメーカーのスマホでもQRコードを読み込むことができます。
次回は、QRコードがどんな場面で使用されているかご紹介します。