名字の話 ①

いろいろな「斉」

日頃からたくさんのお名前を目にする我々印刷業界の人間は、人の名前というものは特に大切に扱うことを心がけています。

間違った名前を印刷してしまうことは、時に大きなトラブルの元になりかねませんし、何よりご本人は大変不愉快に思われるでしょう。

気をつけたい名字のミス

最も気を付けなければならないのが、原稿に書かれた名前を印刷物のデータに入力する作業の時です。何に気を付けるのか。

それはズバリ「思い込み」です。

例えばこんなミス

「サイトウさん」という方の名前を印刷データに起こすとしましょう。

あなたが「サイトウさん」と聞いて、一番最初に思い浮かぶ漢字はなんでしょうか。

「斉藤」か「斎藤」でしょうか。

データ入力担当者が名字を頭の中に思い込んで、「斉藤」と入力した。

しかし!実際は「齊藤」だった。

こういうミスが結構あるんです。(最終的に印刷完成までには修正できます。)

日本の名字は約30万種類

日本には約30万種類(!)の名字があるとされています。(1997年版 日本苗字大辞典)

書き間違いじゃありません。
300,000種類です。

これは、

  • 同じ漢字で異なる読み方(山里さん:ヤマザト、ヤマサト)
  • 同じ読み方で異なる漢字表記(イトウさん:伊藤、伊東)

などなどが集まるとこんな数になるそうです。

いろいろな「サイトウ」さん

ちなみに先ほどのサイトウさん、漢字の候補としてはこれくらいあります。

  • 斉藤
  • 斎藤
  • 齊藤
  • 西東
  • 西藤
  • etc…

これ以外に1文字目が異体字(「齋」をさらに難しい書き方)だったり、
2文字目が旧字体の「藤」(くさかんむりの横棒が離れている)というのもあります。

私が調べたところ、日本にあるサイトウさんという名字は少なくとも15種類、一説によると84種類もあるそうです。

思い込みはうっかりミスのもと

人の名字は本当に難しいです。だからと言って「名字の種類が多くて間違えました」なんて言い訳にもなりません。

印刷物とは必ず誰かに見られるものです。
人に見られた時に恥ずかしくないもの」「見せた人が恥ずかしい思いをしないもの」を常に心がけて制作にあたっています。

「思い込みはうっかりミスのもと」というのが職場での合言葉になっています。
これからも、人様のお名前は大切に扱っていくことをモットーとして参ります。